「安曇節」誕生秘話
去年の Pride Chicken 忘年会の時だったか記憶が定かではないが、ボーカルの林が
「松川村の民謡、安曇節を夢ふぁーむで演奏してみたい。」
と話を切り出した。
当然頭の中が「???」となる。Pride Chicken は Led Zeppelin をカバーしているハードロックバンドだ。
「ハードロックで?」
と聞いたところ、
「ハードロックで!」
と回答が返ってきた。
だが、イメージが沸かない。
まぁ、そんなアイデアがあるわけね、とその時は話を聞き、記憶の片隅には残っていた。
それから数か月が経ったある日、その林が YouTube で安曇節の動画をメンバーに紹介した。
これを Pride Chicken で、ハードロック調で演奏したいと。
条件は 1 つ。
メロディーラインは変えないこと。
この時、初めて安曇節を聞いた。
そして悩んだ。
これを、どうやってハードロックにすれば良いんだろう。
ただ、何となくだがアレンジできそうな気がして自分がアレンジすると手を挙げた。
だが、この YouTube の安曇節を何度聞いてもハードロックのアレンジは出てこない。
周りの三味線や笛の音色、そして民謡特有の歌いまわしやリズム感がハードロックアレンジの邪魔をする。
そこでメロディーラインのみの音源を作り、それにアレンジを加える作戦に出た。
数日間でメロディーライン(ボーカル)にギター、ベース、ドラムを加えたアレンジ音源を何種類か作った。
その中から 5 つのアレンジに絞ったが、そこからどうやって絞るか悩んだのでメンバーの意見を聞くことにした。
メンバーに一番人気のあるアレンジを採用しようと考えたわけだ。
公平に意見を聞くためには、他の人の意見に左右される可能性はなるべく排除したい。
また、メンバーは私を入れて 4 人なので 2 : 2 に分かれる可能性もある。
そこで、5 つのアレンジの中で好きな方から 1 ~ 3 番と順位をつけて私のみにメール投票してもらうことにした。
結果、メンバー 4 人が 1 番をつけたのが 4 つのアレンジにばらけた。
ここまで意見が異なるのは想定外。
仕方がないのでこの企画を持ち込んだ林の意見を採用し、その経緯もメンバーに説明し、それから曲の構成を検討して曲全体を仕上げた。
バンドで合わせる中でメンバーから出た意見はなるべく採用するようにしたので、編曲は私だが Pride Chicken 全員で仕上げたと考えて良いだろう。
安曇節はもちろん私達のオリジナル曲ではないが、Pride Chicken としてオリジナル曲を完成させたのに近い感覚がある。
カバーとは違い、自由にアレンジできる楽しさや面白さも経験できたので、自分としてはチャレンジして良かったと考えている。
次回演奏する機会があるとすれば、来年の夢ふぁーむかな……。